NVDA

NVDAはメタバースを最も実現できる企業

リアルの世界との統合や連携を目的とした仮想空間「メタバース」に関する報道や企業の発表が増えています。このメタバースを最もハイスペック、安定的に実現できる企業はエヌビディア(NVDA)だと思います。

同社は仮想空間上で工場などをシミュレーションできるソフトウェア・メタバースサービスの「Omniverse」を開発しています。メタバースと聞くと、おそらく大半の人はゲームを連想すると思います。それもありますが、NVDAは製造など様々な産業に活用可能なメタバースプラットフォームを提供しています。

最も分かりやすい例は、以下のNVDAのOmniverseのウェブサイトにある、BMWとコラボ作成した未来の工場の動画です。実際に自動車の製造工場を構築しようとした時に、どのような製造ラインをどのような配置にすれば良いか、などをシミュレーションすることができます。これらは全て、NVDAがこれまでに培った高度な演算を行えるGPUが大いに発揮されます。BMWとの動画では、工場の稼働に応じてデータを分析・処理している様子も表示されています。パラメータを変えることで、様々な生産活動のシミュレーションも実施できます。また、実際の工場に見せるように、工場のレイアウトや光の加減などを同社のRTXテクノロジーが作成することができます。

https://www.nvidia.com/ja-jp/omniverse/

製造現場は今後、ますます自動化が進展していく見通しですが、自動化にはデータを分析し、生産や物流ロボットの活用(AI=人工知能の活用)が必要です。NVDAはエッジAIプラットフォームの「Jetson」も提供しており、あらゆる業務ワークフローの自動化をサポートできます。シミュレーション、実際の世界のビジュアルの再現、ロボットの活用など、これらを一体で高いスペックで提供できる企業はおそらくNVDAしかいないでしょう。NVDAは今年に入り、フアンCEOが、同社がメタバース上で構築した工場から講演するなど、「Omniverse」のアピールを進めています。

Omniverseはまだ事業の初期ステージで、今年後半に一般的な商用化サービスをサブスクリプション形式で開始する予定です。デル、HP、Lenovo、などのパートナーがいて、BMW、ベライゾン、ロッキードマーチンなど500社以上がサービスを試用している段階です。また、昨年12月にベータ版をリリースして以降、5万人以上の個人のクリエイターがダウンロードしたとのことです。

会社はまだ商用サービスの価格を決めていないようですが、1ユーザー当たり年間数千ドルをイメージしているようです。同社のGPUのソフトウェアであるCUDAはこれまでに累計で2700万回ダウンロードされました。かなりの時間はかかると思いますが、仮に2000万人にダウンロード、利用されるとすると、年間1000ドル換算で200億ドルです。

NVDAはこれまでもGPUを含め、ソフトウェアがかなり事業に寄与していると思います。AIを使いこなすにはGPUだけ渡されても使いようがなく、様々な業界向けに使えるようにソフトウェアスタックなどを同社は豊富に用意しています。データセンター事業の売上高は、およそ50%がアマゾンやグーグルなどのハイパースケーラー、残り50%がその他の企業(様々な業界企業)です。ゲームやAWS、グーグルクラウド向けが中心のビジネスであれば、近いうちにコロナ特需の大きな反動減に見舞われる可能性がありますが、メタバースなど企業向けのソリューションが拡大していくことで、事業と収益源が分散化され、ますます強固な収益体制を築いていけると期待されます。

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