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AMZN をEコマース減速のみで判断するのはリスキー

Amazonが4-6月期決算を受けて7月30日に7%安となっています。主力のEコマースの減速感や減速見通しが大きく嫌気されています。

7-9月期の売上高見通しは1062-1120億ドルで、前年同期の961.45億ドルに対して増収を見込んでいますが、営業利益の予想(25-60億ドル)は前年同期の61.94億ドルに対して減益を見込んでいます。

4-6月期はオンライン店舗売上高が前年同期比16%増と1-3月期の同44%増から減速しており、成長率はコロナ特需のピークを打った問い得ます。足元でデルタ株の感染懸念が出ていますが、アメリカは経済再開の動きが続いているので、目先のEコマース売上高は伸び率が大きく減速することは容易に想定されます。

ただ、悲観一色になるのは禁物だと考えます。全社営業利益の50%以上を稼ぐAWSが、4−6月期は37%増収と1−3月期の同32%増を上回りました。営業利益率は28.3%と、30.8%から若干低下していますが、好調な需要が続いているようです。ジェフ・ベゾス氏からCEO引き継いだアンディー・ジャシー氏は、「より多くの企業がクラウドに業務を移行しておりAWSの成長率が加速している」と述べました。

また、主に広告で構成されるその他事業は88%増収と、こちらも1−3月期の同77%増を上回りました。

今回の4−6月期決算や7−9月期見通しでは、Eコマースなど個人の消費者は特需の減速がみられたものの、企業によるクラウドやデータセンター投資、広告需要は堅調という傾向が見られます。後者はMSFT、GOOGL、その他一部のネット広告関連企業が好決算を出しました。

AWSなどリモートワークは今後も続いて行くと思います。もちろん出社再開という動きが強まるでしょうが、一度整えたハイブリッドな業務環境を企業は易々と縮小することはないでしょう。少なくともデルタ株懸念が収まるまでハイブリッドな業務スタイルは継続し、その間、アマゾンはEコマースは減速するが、Eコマースは長期的なテーマなので1年経過すれば再び成長軌道を強めると思います。

企業向けを取り込んでいく動きは、Eコマースでも見られます。4−6月期決算では、Business Primeの顧客数が100万を超えたと述べており、シェブロンやシティグループなどが顧客になりました。消費者向けだけでなく、企業向け需要を取り込みながらハイブリッドな成長を模索していくアマゾンの株価を、個人向けEコマースをメインに判断していくことはリスキーだと考えています。

AMZNの今期EPSコンセンサス予想は前期比34%増、来期は同30%増です。今期予想PERは59.6倍、今期予想PEGは1.75倍(2021/7/30終値)です。

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