AAPL GOOGL MSFT TXN V

昨日の米大手ハイテク株決算が意味すること

ロシアによる欧州への天然ガス供給停止、イーロン・マスク氏によるテスラ株売り観測など揺れに揺れた26日の米国株式市場では、大手企業決算に対する警戒感もセンチメント低下につながったようです。

マイクロソフト、アルファベット、TI、ビザなど、ハイテク(情報技術)セクターの大型企業が決算を行う中で、より傾向が顕著となってきたトレンドも確認されました。ここで2点、簡単に触れたいと思います。

モノからサービスへの支出シフト(リベンジ旅行消費の拡大)

先日の米航空大手の決算から堅調な旅行需要が期待されていましたが、ビザ(V)の決算でもそれが明るみになってきたようです。ビザの1-3月期の純収入は前年同期比25%増で、「オミクロン株の影響は短期で収束した」、「地政学リスクの不透明感があるものの、旅行需要の力強い回復が続くことと、グローバルで新しい支払い方法が活用されることが期待される」とマネジメントは前向きな見方を示しています。決済高は17%増加しましたが、クロスボーダーが38%増(欧州除くと47%増)と回復が目立ちました。以下はビザの2022年と2021年の月別のカード決済高の比較ですが、オレンジ色の旅行支出(店頭およびオンライン決済の合計)が2022年1月以降に大きく上昇に転じていることがわかります。

ビザの27日の株価は8%高で推移しています。

アルファベット(GOOGL/GOOG)の決算でも旅行関連の堅調さがみえました。1-3月期はYouTube広告が14%増収と10-12月期の25%増から大きく落ち込んだものの、グーグル検索&その他広告は24%増と堅調でした。欧州でブランド広告主の支出削減の悪影響を受けたほか、アップルのiOS広告規制の逆風が響いていますが(Google Playの手数料率削減も逆風)、1-3月の旅行関連の検索数は2019年1-3月期の水準を上回ったとしています。ブランド広告の需要に減速感が出ているものの、消費行動(旅行など)への悪影響はまだ現れていないことから、アルファベットはバランスの取れた広告収入によって(ブランド広告だけではない)、業績の落ち込みは一時的にとどまることが期待されます。

ちなみに同社はYouTube Shortの収益化など取り組みを進めているほか、iOS広告規制にかからない、クッキーを用いた別の広告配信システムの構築にも取り組んでいることから、そうした挽回作にも期待したいところです。

中国ロックダウンの影響は過小評価できない

2点目は中国ロックダウンの影響長期化は、大きなリスクになりうるという点です。半導体大手のTI(TXN)は、中国ロックダウンで顧客の製造活動に影響が及んでいることを示唆しており、4-6月期の売上高見通しレンジの中央値を前回予想から約10%引き下げました。マイクロソフト(MSFT)は先に触れたように4-6月期もAzureの好調持続が期待されますが、中国の生産停止が5月まで続いた場合に「Windows OEM」、「Surface」、「Xbox」といったハードウェア事業の見通し悪化する可能性をみています。こうした状況を踏まえると、アップル(AAPL)の業績に対する警戒感が強まることは必至です。1-3月はそこまで大きな影響はなかったと思いますが、いつものように4-6月期の売上高見通しは非開示でしょうが、見通しに関する企業の発言が大いに注目されるところです。

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