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ユナイテッドヘルスが4%安 医療コスト増加への懸念が強まる

ユナイテッドヘルス(UNH)が18日に3.6%安となり、約1ヵ月振りの安値をつけました。

医療コスト増が懸念されているようです。

14日発表の1-3月期決算は市場予想を上回りましたが、Days in Claims Payable (DCP。3月末の医療コスト支払い債務÷1-3月期医療コスト×90)が47.8日となったことが注目されています。

前四半期の49.9や、2019年につけていた約50日から低下基調となりました。

DCPは、保険加入者が受けた医療サービスで支払い請求済みの金額を、平均何日で支払っているかを測定します。

数値が低下すると、請求額に対する支払い速度が早いことを意味します。製造業の企業で言えば、仕入れた部材の支払いタイミングが早くなっていることと同義です。

つまり、期中のコストが増加し、資金繰りにマイナスの意味に捉えられます。

請求済み額(分子)が減った上でのDCP低下であればポジティブに映るかもしれませんが、コスト(分母)が増えた上でのDCP低下であれば、ネガティブになります。

UNHのメディケアコスト比率は82%と安定していますが、足元の請求額に対する支払いスピードが早いことを加味すると、同コスト比率は83%台に上昇していた(利益が減速)と指摘するアナリストもいます。

つまり、前年同期比で14%増加した1-3月期の調整後EPSは、数値ほど良く無かったとみるべきで、決算後の売り要因の1つになっているようです。

UNHはDCPの低下に関して、「支払い速度の早いビジネスの構成比が増えたため」と説明しています。

コロナが明けて、その他の症例の受診が増えたことやOptumとの統合などの影響が出ていると推察されますが(後者の影響が強ければポジティブな側面もあるかもしれません)、コロナ前の水準から低下していることを投資家としては不振を募らせたくなるところかと思います。

19日は、同業のエレバンスヘルス(ELV)が決算を発表し、株価は5.3%安でした。ヒューマナ(HUM)も3.9%安と売られるなど、医療保険株全体に売りが広がりました。

ELVの1-3月期のDCPは46.0日と、前四半期から1.5日低下しました。これによって、「医療保険企業の利益やキャッシュフローが悪化するのでは?」との見方が一段と強まったものと捉えています。

医療保険株はメディケアアドバンテージの最終支払い料率の決定を受けて、株価は一旦、アク抜けしたかのように見えましたが、しばらくはこのDCPの変動と、それを受けたメディカルケアコスト比率の変動に対する注目や懸念が続きそうです。

株価としては方向感に乏しい展開が続きやすいと思われます。

-UNH

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