マリオット・インターナショナル(MAR)が10日の場中に、1株当たり四半期配当を21%引き上げました(0.52→0.63ドル)
前回の30%増配に続いて大幅増配
増配率は前回の+30%(0.40→0.52ドル)からは低下しましたが、大幅増配を継続しています
コロナ禍では一時無配となりましたが、四半期配当は既にコロナ前の0.48ドルを大きく上回っています
10日終値の年間配当利回りは1.05%です
5月1日発表の1Q(1-3月期)決算では、通期調整後EPS見通しを上方修正しました
ただし、米国・カナダではRevPAR(利用可能な部屋当たり収入、為替変動除外ベース)の増加率が前四半期から低下するなど、さすがに減速感も見られ始めています
それでも大幅増配を継続していることから、会社は前向きな見通しを保持しています
株価は年初来で+6.6%で、S&P500の+9.5%をアンダーパフォームしています
2024年度1Q決算: 6%増収、2%増益
5月1日に発表した1Q(1-3月期)決算は、収入が+6%の59.8億ドル、営業利益は-8%の8.8億ドルと減益となり、調整後EPSは+2%の2.13ドルでした
RevPAR(利用可能な部屋当たり収入、為替変動除外ベース)は+4%の118.13ドル(前四半期は+7.2%)、米国・カナダが+2%の119.61ドル(同+3.3%)、その他は+11%の114.88ドル(同+17.4%)でした
アジア太平洋(除く中国)が+17%、カリビアン&ラテンアメリカが+12%、中東・アフリカが+13%と特に堅調でした
大中華圏は前四半期の+81%からは減速しましたが、+6%でした
全社の稼働率は+0.9%ptの65.6%、平均宿泊料は+3%の179.99ドルでした(両者を掛け合わせるとRevPARに近い値となります)
宿泊数の42%がレジャー(RevPARは+4%)、ビジネス目的の宿泊は数34%(RevPARは+1%)を占めました
2024年度見通し
会社は、2024年度2Q(4-6月期)のRevPAR(利用可能な部屋当たり収入、為替変動除外ベース)は+4~5%、調整後EPSは2.43~2.48ドルを見込んでいます
2024年度通期(12月期)のRevPARは+3~5%、部屋純増数は+5.5~6%、調整後EPSは9.31~9.65ドル(前期は9.99ドル)と減益を想定しています
前四半期決算時の9.18~9.52ドルからは上方修正しました
株価チャート
マリオット・インターナショナルとは
https://marriott.gcs-web.com/press-releases
マリオット・インターナショナルは世界最大級のホテルチェーンです
ホテルは全て自社所有するのではなく、フランチャイズ化や運営を受託してフィーを得ることで、アセットライトなビジネスモデルを展開しています
会員ポイントシステム「Marriot Bonvoy」も展開しており、アメックスと提携したMarriot Bonvoyカードは幅広い航空会社のマイルへの交換や無料宿泊特典などが得られることが人気を博し、日本人の旅行系ポイ活で強固なポジションを築いています
2024年3月末の物件数は8,861(前四半期比+76)、うち所有/リースは50、宿泊部屋数は164万3172(同+4万5792)、うち所有/リースは1万3111
宿泊部屋数のうち、ラグジュアリー(JW Marriot、Ritz-Carlton、St. Regis、Bulgariなど)は15万7179、プレミアム(Marriot、Sheraton、Westin、Renaissanceなど)は70万4721、セレクト(Courtyard、Fairfield by Marriot、Four Pointsなど)は74万1031、タイムシェアは2万2745、ミッドスケール(City Express by Marriot、Four Points Express)は1万7496となっています