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ブロードコム、「AI相場」で3割高 高利益率とCFも魅力

半導体大手のブロードコムの株価が好調です。

エヌビディアが5月25日に決算を発表して以降の「AI相場」の流れに乗り、株価は約3割高となりました(6月2日時点)。

AI相場の恩恵を受けやすい企業の1社として、引き続き注目しています。

  • Google向けAIチップ受注加速への期待、アップルとも提携強化
  • 2-4月期売上高は+8%、5-7月期は約+5%
  • 半導体ソリューション: AIが牽引しネットワーキングが好調
  • AI向け半導体売上高は15%、2024年末には25%に
  • インフラソフトウェア: 1桁%台前半の増収を見込む
  • AVGO株の投資ポイント: ネットワークで必須の存在、高利益率とCFも魅力
  • AVGO 株の保有ポジション: 2株、22.5万円(評価損益率+67%)

Google向けAIチップ受注加速への期待、アップルとも提携強化

同社はGoogleが手掛けるAI向けチップ「TPU」を共同開発していることから、AIコンピュータやデータセンター急増の恩恵を受けるとの見方が急速に高まっています。

最近ではJPモルガンが、GoogleからのTPUの受注が加速しているとの見解を出していました。

5月24日には、アップルが5Gなどの無線通信チップ(FBARフィルターなど含む)の米国内の生産でブロードコムと数十億ドル規模の契約を結んだと発表したことも株価の追い風になっています。

FBARフィルターは通信を行う周波数を選択するためのフィルターです。スマホは国毎で利用される周波数が異なることがあるため、国毎に通信する周波数とそうでない周波数を選択するためにFBARフィルターが必須となります。

アップルはいわゆる「A ~チップ」などプロセッサの内部設計を行っていましたが、通信部分の半導体に関してはブロードコムとの提携を続ける見通しで、ブロードコムにとってポジティブです。

2-4月期売上高は+8%、5-7月期は約+5%

6月1日に発表した2Q(2-4月期)決算は、売上高が+8%、営業利益が+18%、調整後EPSが+27%と好調でした。

営業利益率は45.9%で、1Qの46.0%と同水準でした。

3Q(5-7月期)の売上高は約88.5億ドル(前年同期比約+5%)と予想しています。

半導体ソリューション: AIが牽引しネットワーキングが好調

ブロードコムは、半導体ソリューション(スマートフォン向け無線通信チップやネットワークインフラ向けASICやプロセッサ、光通信接続、ストレージ、イーサネットスイッチ、ルーターなど)とインフラソフトウェア(メインフレームソフト、Symantecなどセキュリティソフトなど)の大きく2つの事業を行っています。

半導体は、工場自動化や再生エネルギー、自動車向けなど各種産業向けにもイーサネット接続、光通信接続、モーションコントーラ、センサーなどを提供しており、End-to-Endの通信ソリューションを実現しています。

半導体ソリューションの2Q売上高は+9%の68億ドルでした。

ワイヤレス(スマートフォンなど)の売上高は16億ドルとなり、半導体ソリューションの23%を占めました。1Q比では-24%、前年同期比では-9%でした。会社は、次世代スマホ向けプラットフォームの立ち上げが見込まれることから(iPhone)、3Qは2Qと比べて1桁%台前半の増収(前年同期比は横ばい)を見込んでいます。

ネットワーキングは26億ドルで、+20%でした。半導体ソリューションの39%を占めました。業績の牽引役は2つで、1つは「Tomahawk」スイッチの好調が続いたこと、もう1つはハイパースケーラー(GoogleやMetaなど)向けが力強い成長を示したことです。

同社のスイッチを用いたAI向けネットワークアーキテクチャ(「Jericho3-AI」、4月18日に発表)は、3万2000のGPUを用いた、800GBps通信帯域をサポートするイーサネットで、AIの活用に寄与します。

AIを活用するためには、エヌビディアのGPUなどのプロセッサだけでなく、そうして高速処理したデータをサーバ内外で高速に通信させるための半導体や伝送網も必要です。ブロードコムは、そうした製品を幅広く提供しています。

「Jericho3-AI」は1秒当たり26ペタ(1,000兆)ビットのイーサネット帯域で、前世代の約4倍の通信帯域で、ギガビット当たり電力を40%低減させます。

通信減耗率の少ないイーサネット接続も、通信やクラウド業者の事業をサポートしています。

3Qのネットワーキングの売上高は、+20%近い増収率を維持できる公算です。

サーバ・ストレージ接続の売上高は+20%の11億ドルで、半導体ソリューションの17%を占めました。企業の需要は緩やかな水準に向かっており、3Qは前年同期比で1桁%台前半の伸びを予想しています。

ブロードバンドは+10%の12億ドルで、半導体ソリューションの18%となりました。通信事業者が次世代10G-PONを引き続き展開したことや、Wi-Fi6などが好調でした。

3Qは前年同期比で1桁%台前半の伸びを見込んでいます。

産業向けは+2%の2.6億ドルでした。中国向けが低調でしたが、グローバルでの再生可能エネルギーやロボット需要が落ち込みを相殺しました。

3Qは前年同期比で横ばいを見ています。中国向けが低調、欧州は好調と見ています。

以上を踏まえ、半導体ソリューション全体では、3Qの売上高は1桁%台半ばの伸びを予想しています。

AI向け半導体売上高は15%、2024年末には25%に

AI向け半導体に関しては、現在、半導体売上高の15%がAI関連としています。2024年末にはこの比率が25%になるとしています(30~40億ドル規模)。

前述のプロセッサ(ASIC)の「TPU」のほか、AI駆動に欠かせない超広域通信帯域を実現する次世代スイッチ(51Tbpsの「Tomahawk5」など)らがAI関連売上高となります。

ブロードコムが発表文で引用して伝えているところでは、調査会社のIDCは世界のAI支出額が2023年の1,540億ドルから2026年に3,000億ドル以上に達すると予想しています(約2倍)。

2023年は2022年から26.9%増加する見通しで、AI関連半導体の売上高は今後数年は期待できる公算が大きいと言えます。

インフラソフトウェア: 1桁%台前半の増収を見込む

インフラソフトウェアの2Q売上高は+3%の19.3億ドルでした。

Brocadeの低調が続いた一方、中核的なソフトウェア製品が好調でした。中核的なソフトウェアの更新率は平均で114%となりました。

うち戦略的な顧客の年率受注額は5.64億ドルで、クロスセル率は23%でした。更新契約額の90%超は継続的に収入が得られるサブスクリプション・メインテナンスとなっています。

ARR(年換算経常収益)は2Q末で53億ドルと、前年同期比で+2%でした。

3Qのインフラソフトウェア収入は、1桁%台前半の増収を見込んでいます。

AVGO株の投資ポイント: ネットワークで必須の存在、高利益率とCFも魅力

ブロードコムはスマートフォンやインフラなど、あらゆる端末・インフラにおける通信接続性を提供していることから、今後も5G、AIを始めとしたネットワーキングの中核的な存在であり続けると期待されます。

クアルコムやインテルのように、アップルの自社設計・生産リスクに対する脅威がそれほど高くないことも、ポジティブに見ています。

半導体企業ゆえに米中貿易リスクはありますが、中国企業向けプロセッサが事業の大半を占めているわけではありませんので、今のところリスクは限定的と思われます。

以前は登記上の本社がシンガポールにあり、トランプ政権時に批判の的にされましたが、現在は米国への移転が完了しています。

私がブロードコムを評価するもう1つの理由は、利益率とキャッシュ総出力の高さです。

各製品の安定的な需要や高いシェア、ファブレス事業としての効率性などから、営業利益率は2Qで45.9%、フリーキャッシュフローの対売上高比率は50.2%と、半導体企業の中では随一と言えるほどの高い比率です。

キャッシュフロー計算書からは、同社の設備投資支出は微々たる水準となっています(四半期で1億ドル程度)。

一方、有利子負債額は多く、直近12ヵ月のEBITDAに対して2倍近い比率となっています。しかし、キャッシュフローの多さを考えれば、特段問題とは言えない水準でしょう。

ROIC(投下資本利益率)は20%台と高いです。

豊富なフリーキャッシュフローを活かし、同社は株主還元に積極的です。

直近の増配率は12%と高く、2Qは自社株買いを28億ドルと多額を行いました。

株価が急騰したため配当利回りは一時の3%台から低下しましたが、それでも2.3%となっています。

市場予想では、今後も調整後EPSは増益が見込まれています。

バリュエーションはPERは20倍台と割安感に乏しい水準にありますが、当面は力強いAI需要を見込んだアナリストによる目標株価の引き上げが続く可能性があります。

直近12ヵ月の総利回り(純利益+株主還元÷時価総額)は8%近くで、年間1割近いリターンが今後も期待できそうです。

AVGO 株の保有ポジション: 2株、22.5万円(評価損益率+67%)

私はブロードコム株を2株保有しています。

2022年3月に1株=572.17ドルで購入し、6月2日時点の評価額は22万5833円、評価損益率は67%となっています。

配当金は、累計で約4,100円受領しました(投資額に対する累計利回りは3.04%)。直近の受領は4月(873円)で、1株当たり4.60ドルでした。

直近の増配率は12%です(4.10→4.60ドル)。

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