SBNY

デジタルアセットや人材で成長続くシグネチャー・バンク

ベンチャー企業やデジタルアセット企業(仮想通貨や取引所関連)向けの貸出しで強みがあるシグネチャー・バンク(SBNY)は、2022年度1Q(1-3月期)が前年同期比29%増収希薄化後EPSは64%増と好調でした。

決算を発表した4月19日の株価は前日比8%高でした。

預金は前年同期比で48%増加し、金利を負担しない預金のウェートが前年の30.5%から42.8%へ高まっています。それに伴い金利費用比率は低下しており、金利費用は19%減、総費用が6%減少しました。純金利収入は41%増でした。

純金利マージンは前年同期比で0.12%pt低下しましたが、前四半期比で0.08%pt上昇しました。金利収入資産の平均利回りは2.22%、預金・借入コスト比率は0.25%と前年同期から0.22%pt低下しました。デジタルアセット企業などの預金は金利負担がつかないものとなっているため、デジタルアセット需要の高まりで同行は預金を集め、それを様々なローンの原資とすることで利鞘を稼いでいます

同社が預金を集めることができているのは、「Signet」と呼ばれる24時間7日間、米国内で送金を安全、無料で行えるブロックチェーンベースの送金システムを築いているからです。ビットコイン、イーサ、NFTなど、デジタルアセット業界の成長は、メタバースによってこれからが本番と言える段階であり、そうしたプレーヤーからの資金需要という追い風を受けることができるポジションにシグネチャーバンクはあります。

ローン・リース残高は前年同期比30%増加し、前四半期比ではファンド・バンキングやマルチファミリー向け商業不動産、ベンチャーバンキングなどが増えました。同社は大手銀行からベンチャー向け融資や不動産融資に専門性を持つ人材を多く雇入れてきました。基本的にこうした融資案件は「人材」によるところが大きく、同社は高い給与・ボーナスを付与することで優秀な人員獲得につなげています。

こうしたビジネスモデルは、高額で他行によって人材が引き抜かれるリスクはつきまとうものの、大手銀行と比べて小回りが効き、1つの顧客に1人のセールス・アドバイザーが担当するというシンプルかつワンストップソリューションを築いているため、他社を上回る成長を継続しており、そうやすやすと崩されないモデルだと考えられます。

SBNYの同業の1つにSIVファイナンシャル・グループ(SIVB)があります。同社はベンチャーキャピタルなどを中心とするアーリーステージを含むベンチャー企業の資金需要から恩恵を受けており、決算発表翌日の22日の株価は7%高とこちらも好調でした(決算は21日の引け後発表)。

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