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※「2024年度および将来見通し」欄の記述、セグメント別利益率、年間生産能力の図表を修正しました（4/24 12:58）
テスラ（TSLA）の2024年度1Q（1-3月期）決算は、売上高と調整後EPSは市場予想を下回りましたが、粗利益率は上回りました
低価格モデルを含む新型車両の発売時期の前倒し計画や、将来的な増産可能性を示したことで、時間外株価は大幅上昇し終値比11%高の160ドルとなっています
電話会議では、FSDライセンス巡り自動車１社と協議していると述べています
2024年度1Q決算
9%減収に転じるが粗利益率は市場予想を上回る
売上高は-9%の213億ドルと減収に転じ、市場予想の223億ドルを下回りました
調整後EPSは-47%の0.45ドルで、こちらも市場予想の0.52ドルを大きく下回りました
粗利益率は17.4%に低下しましたが、市場予想の16.5%は上回りました
値下げや販売減速が逆風になりましたが、自動運転支援システム「FSD」の増収や、自動車１台当たりの生産コストの低減、インフレ抑制法案の恩恵を受けたエネルギー発電・蓄電の増益はプラス寄与となりました
自動車販売が13%減収、エネルギー発電・蓄電は25%増収
セグメント別売上高は、自動車販売が-13%でしたが、エネルギー発電・蓄電が+25%と好調でした。ただし、エネルギー発電・蓄電の粗利益は4億ドルと、自動車の32億ドルと比べてまだわずかな寄与にとどまっています
自動車販売の売上原価は減少もまだ値下げが上回る
自動車販売事業の1台当たり平均売上原価は-4.6%の367万ドルと改善が続いていますが、平均販売価格が-7.7%の435万ドルと、まだ値下げ率の方が上回っており、収益の重荷となっています
4月に入っても値下げを続けているので、自動車事業の利益率の一段の落ち込みが警戒されます
生産キャパシティは変わらず、シェアが低下に転じる
自動車の年間生産能力は概ね前四半期と同じでした
直近12ヵ月の市場シェア（乗用車、各調査値をもとにしたTSLA推計）は足元で低下に転じています
FSD累計走行距離とAIトレーニング能力は拡大
自動運転支援ソフトウェア「FSD」による累計走行距離は12億マイルを超え、直近では新型の「V12」がリリースされました
エヌビディアのGPU「H100」相当のAIトレーニング能力は一段と拡大しています
急速充電ステーションは引き続き増加傾向にあり、前年同期比30%近い拡大が続いています
エネルギー発電・蓄電売上高はのインフレ抑制法の補助で伸びましたが、蓄電システム設置量は高金利の中で減速傾向にあります
フリーキャッシュフローはマイナス、設備投資の拡大続く
フリーキャッシュフローは25億ドルのマイナスでした
伝票と納車のミスマッチによる車両在庫の積み上がり、及びAIなどへの投資（設備投資増加）が理由です
前者のミスマッチに関しては、会社は4-6月期には在庫の積み上がりが反転し、フリーキャッシュフローはプラスに転じると予想しています
2024年度および将来見通し
新型車両の前倒し生産着手や将来的な増産可能性を示す
台数成長率は引き続き、」2023年度を大きく下回る可能性があるとしました。エネルギー蓄電の導入成長率とエネルギー生成・蓄電の売上高成長率が自動車事業を上回るとの見方をしています
注目されていた新型車両（より手頃な価格のモデルを含む）の発売に関して、従来示していた生産開始時期（2025年後半）よりも早いタイミングで発売するとしています
低価格車を含む新型車両は、次世代プラットフォームも活用する計画で、コスト削減幅は従来予想よりも小さくなる（コスト削減効果の低下）可能性を指摘しています。ただし、その結果、現在見込んでいる最大年間生産能力（300万台近い）をフルに活用し、新型生産ラインへ投資する前に、2023年度生産台数（185万台）を50%超上回る生産が可能になる見込みとも説明しています
株価チャート
テスラとは
https://ir.tesla.com/#quarterly-disclosure
EVの世界最大手で、急速充電器「SuperCharger」の設置、自動運転支援ソフトウェア「FSD」による自動運転及びロボタクシーを目指している点などで、他のEVメーカーとの差別化を図っています
家庭用ソーラー発電や蓄電システムによる循環型エネルギーシステムの実現も進めており、自動車以外のエコシステムの構築にも積極的です
