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ゾエティスはペット部門が減収に転じるも、4%高

ペット医薬品大手のゾエティスは、4日寄り前に発表した1Q(1-3月期)決算でペット医薬品のコンパニオンアニマル部門の売上高が-3%の12.25億ドルと減収に転じましたが、4日の終値は0.4%高とプラスでした。

足元は米国での在庫調整が逆風要因になっていますが、いずれ改善が進んでいくとの見方があるようです。

通期予想は据え置きましたが(売上高85.75億~87.25億ドル、調整後EPS 5.34~5.44ドル)、市場予想(86.4億ドル、5.37ドル)を上回りました。

  • 米国の卸売業者の在庫調整が逆風、最終需要は堅調な模様
  • ライブストックが持ち直す、犬用の新薬承認で株価は5日に大幅高
  • 株価はゴールデンクロス気味、バリュエーション妙味は乏しい

米国の卸売業者の在庫調整が逆風、最終需要は堅調な模様

為替影響を除外した全社売上高は+4%(コンパニオンアニマルは横ばい、家畜用医薬品のライブストックは+12%)で、価格が+5%pt、販売量が-1%ptの寄与と、販売量が減少しました。

主に、コンパニオンアニマル部門で、米国の卸売業者が在庫調整を進めたことが逆風になりました。主力の「Simparica Trio」(犬用の寄生虫駆除薬)の売上高は1.51億ドル(全社は20億ドル)、為替影響除外ベースで-7%となりました。前四半期の10-12月期に、値上げ前の駆け込み購入需要やプロモーションを強化した反動も逆風となりました。

しかし、ゾエティスによると、同社から卸売業者への販売は減少(会社は想定通りとしています)した一方で、卸売業者から病院へのゾエティス製品の販売は約8%増加、小売店からペットオーナーへのゾエティス製品の販売は約35%増加し、米国のペット市場(の最終需要)は堅調とのことです。

ゾエティスは、卸売業者による在庫調整の影響は短期的に留まるとの見方をしています。

米国の動物病院の診察トレンドは改善傾向にあるとしており、1-3月の病院訪問者数は+2%、病院の診療収入は+11%、訪問1回当たりの診察収入は+9%でした。

会社が言うように、米国での在庫調整が目先一巡するのなら、4-6月期からコンパニオンアニマル部門の業績モメンタムが改善する可能性があり、注視していきたいと思います。

ライブストックが持ち直す、犬用の新薬承認で株価は5日に大幅高

これまで苦戦していたライブストック部門の売上高は、+8%の7.58億ドルと増収に転じました

豚向け製品は減収でしたが(-8%の1.4億ドル)、牛用製品が供給能力の改善(+10%の4億ドル)、鶏用がワクチン販売増加で増収(+12%の1.4億ドル)となりました。ここしばらく成長が続いているのは魚用製品で、ノルウェーでの力強いワクチン販売が後押ししました(+11%の0.5億ドル)。

豪州の市場環境が良好なほか、買収した企業の寄与で羊用・その他製品が+53%の0.3億ドルと大きく伸びました。

5日には、FDAが犬用の変形性関節症向け治療薬「Librela」を承認しました。猫用(「Solensia」)に続いての承認となりますが、米国では猫よりも犬の数が圧倒的に多いことから、5日のゾエティス株は4.3%高と好感されました。

1-3月期に「Librela」の為替影響除外の売上高は米国外で+74%の3,400万ドルと好調なことから、コンパニオンアニマル事業への寄与が期待されるところです。

決算では、ジョージア州アトランタ郊外に新しいモノクローナル抗体やワクチンなどの製造拠点用の土地を取得したことも明らかにしました。2026年から操業を開始する予定で、グローバルでの供給能力拡大につなげる狙いです。

株価はゴールデンクロス気味、バリュエーション妙味は乏しい

ゾエティス株は年初来27%上昇と、堅調です。

前年は供給制約の悪影響や比較的バリュエーションが高い銘柄であったことから、株価は40%下落しました。今期はそうした問題の改善を通じた業績復調が期待されており、これまでのところこうした期待を反映した株価展開になっています。

卸売業者の在庫調整が会社想定通りに短期で収束すれば、株価のモメンタムは維持されそうです。週次チャートは、50週と200週移動平均がゴールデンクロス気味に推移していることから、「Librela」の承認など好材料に好反応を示しやすい展開が期待されます。

ただし、バリュエーションには特段の割安感は見られません。特にEBITDA倍率やフリーキャッシュフロー利回りで見ると割高にも映ります

4-6月期の在庫調整の進展や、上期に顕在化するとみられる「Simparica Trio」競合薬の影響を見極めたいという見方があることも踏まえると、ここからのアップサイドは徐々に限られそうです。

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