CDNS 情報技術 銘柄Update

ケイデンス・デザイン 1Qは減益、2Q見通し弱く時間外9%安

半導体のEDA(電子設計ソフト)を手掛けるケイデンス・デザイン・システムズ(CDNS)の2024年度1Q(1-3月期)決算は市場予想を上回りました

通期見通しは上方修正しましたが、2Q見通しが弱く、時間外取引で終値比9%安となっています

2024年度1Q決算

減収減益に転じる EPSは予想を上回る

売上高は-1%の10.1億ドルと減収に転じ、市場予想に一致しました

調整後EPSは-9%の1.17ドルで、市場予想の1.13ドルを上回りました

1QはIBMとEDAなどにおけるパートナーシップを強化、ファウンドリのGlobal Foundriesとも提携を深めました。また、Armとはチップレットベースのレファレンスデザインの開発などにおける連携を発表しました

営業利益率は25%へ大きく低下

製品・メンテナンス収入は-5%の9.13億ドル(市場予想9.44億ドル)で市場予想を下回りました

サービス収入は+65%の9,572万ドル(市場予想6,290万ドル)と好調でした

営業利益率は24.8%と前年同期の31.6%から大きく低下しました

受注残は過去最高の約60億ドル

1Q末の受注額は前四半期とほぼ変わらずの約60億ドルで、1Qとして過去最高でした

2024年度見通し

2Q: 市場予想を下回る

2Q(4-6月期)売上高は10.3~10.5億ドル(+5~7%)、調整後EPSは1.20~1.24ドル(-2 ~ +2%)の見通しとしました

市場予想の11.1億ドル、1.43ドルを大きく下回っています

発表済みのBETA CAEの買収影響は含めていません(通期見通しも同様)。BETA CAEは自動車や航空業界などでCAE(コンピュータを利用した工学支援。CADで作成した設計図に問題がないかを解析する)ソフトウェアが広く採用されており、これらの業界向けの半導体設計需要を取り込む狙いがCDNSにありそうです

今期は新しいハードウェアシステムの立ち上げ時期を考慮すると、ハードウェア売上高は下期(7-12月期)に偏ると見ており、市場予想と比べて2Q見通しの弱さの一因になっている可能性があります

通期: 上方修正、市場予想に一致

通期売上高は45.6~46.2億ドル(+11~13%、従来予想45.5~46.1億ドル)に上方修正、調整後EPSは5.88~5.98ドル(+14~16%、従来予想5.87~5.97ドル)に上方修正しました(希薄化後EPSは下方修正)

レンジ中央値は共に市場予想の45.9億ドル、5.93ドルに一致しました

ここ数四半期の同社見通しは、直近四半期見通しが市場予想比で弱く、通期見通しは市場予想並みの傾向が続いています

株価チャート

ケイデンス・デザイン・システムズとは

CDNSは半導体企業などに半導体設計の効率化や自動化を可能とするEDA(電子設計ソフト)や各種プラットフォームを提供しています

半導体がスマホやパソコン、IoT、自動車、クラウド、AIなど多種多様な分野向けに複雑化・小型化・高性能化していることから、幅広い需要に対応した半導体の設計業務を効率化するソリューションが求められています。CDNSは、シミュレーションやエミュレーション(ソフトウェアを擬似的に実行させる)、機能検証、設計に関連するIP(知的資産)など幅広い工程にも対応することで、半導体の設計から実装までをトータルにサポートしつつ、開発から実装期間の短縮化を実現しています

主要製品は、業界最大規模の数十億ゲートのデザインをターゲットとする「Palladium Z3」エミュレーションおよびX3 FPGA Prototyping(前世代と比較して2倍以上の容量増加と1.5倍の性能向上)、機械学習を活用した効率的な設計検証の「Verisium Sim AI」、AI実装など機能強化したアナログ/カスタム設計環境「Virtuoso Studio」、データセンター向け仮想化システム「Cadence Rality Digital Twin Platform」などがあります

また、同社のプラットフォーム自体がAIを搭載しており、AIを利用した設計業務の効率化も実現しています

エヌビディアやArmなど有力な半導体企業の大半に提供、売上高の約85%は継続的に収入を得られる経常収入となっており、ソフトウェアモデルのため粗利益率は約90%と高いです

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