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インテュイティブサージカル、時間外3%安 通期手術件数は上方修正も需要軟化

インテュイティブサージカルが21日引け後に発表した1-3月期決算は、前年同期比15%増収、調整後EPSは同3.4%減と減益でした。

粗利率は67.9%で、前年同期の69.6%から低下、営業利益率も32.5%から27.4%へ低下しました。営業利益は販管費が20%増えたことなどで2%減益でした。輸送費の増加や長期需要に応えるためのインフラや生産キャパシティへの投資により固定費が増えました。

前年同期はその他利益を計上した反動もあり、最終減益につながりました。1年間で従業員数は10500人超と26%増えました。増員の約900人は製造関連です。また、顧客対応や顧客トレーニング、出張費などの増加が響きました。

世界の手術件数は約19%増加し、2019-2022年1-3月の年平均成長率は約15%でした。

da Vinciの出荷台数は311で、前年同期から4%増えました。3月末の稼働台数は6920で、前年同期比13%増でした。

インスツルメンツ&アクセサリーは15%増、システムうりは16%増、サービスは15%増でした。

2022年の手術件数は前年比11-15%増の従来予想から12-16%増に上方修正しました。上限の16%は、感染再燃による追加の深刻な影響を見込まない前提で、12%は現在の病院内のスタッフの逼迫が続く前提です。

一方で、短期的には米国での需要軟化を見込んでいます。全般的な病院の財政圧迫や昨年数に顧客が予算を消化し需要の先食いが起きている可能性、下取り台数(同時に新製品への置き替え)が減っていることなどを要因に挙げています。4-6月期は、コロナ感染鈍化で大きく成長を遂げた前年同期との比較となるため、手術件数の前年同期比の伸び率は最近数四半期よりは減速すると述べています。

2022年度の調整後粗利率見通しはコストインフレやドル高で69.5-70.5%から69.0-70.5%へ下限を引き下げました。

調整後営業費用の増加率は21-27%の従来予想から23-27%増に引き上げており、費用先行感が一段と強まる年になります。ただし、営業費用の増加の一因として、従業員数の増加が挙げられます。同社は3月末の従業員数が10500人で、前年同期から26%増えたとしています。約2100人が増えましたが、うち900人は製造関連です。「ダ・ヴィンチ」の「SP」シリーズの展開を強化していますが、生産キャパシティの拡大に加え、顧客トレーニング人員も増やしているようです。こうした事業拡大のためのコストは必ずしも「悪いコスト増」とは言えず、同社の成長力(あるいは競争力)が鈍化したとは見えていません。

1-3月期は39.8万株、総額1.07億ドル(平均取得単価268ドル)の自社株買いを行いました。

時間外取引の株価は21日終値比で3.3%下落しています。

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