富裕層向け銀行のファーストリパブリックバンク(FRC)が、力強い2022年1-3月期(1Q)のローン成長を見せ、決算当日の株価は7%上昇しました。ローン新規組成額は四半期として過去最高でした。シングルファミリー向けが同21%増、マルチファミリーが2.1倍でした。キャピタルコールは3%減少しました。
ローンの新規組成額は前年同期比13%増で、2021年10-12月期(4Q)の同1%増から大きく改善しました。
ロシア・ウクライナ情勢でJPモルガンが先行きの貸倒れに慎重な見解を示すなど銀行株に対する不穏な空気が強まっていますが、FRCは米国内の富裕層を中心としているため、比較的アメリカ国外からの影響は受けにくいと言えそうです。ローン全体に占める不良債権比率は0.10%と低位が続いています。
純金利マージンは横ばいでしたが、ローン成長で稼ぐ銀行ゆえ、足元のローン成長が株価は大きく好感される形となっています。総費用率も4Qから大きく低下し、効率化が進んでいます。
ウェルスマネジメント残高は相場下落を反映して4Qから微減となりましたが、顧客からはインフローでした。ウェルスマネジメント事業の収入は前年同期比39%増で、総収入の15.9%を占めました。
会社は、2022年度は前期比10%台半ばのローン成長を予想しています。また、四半期1株当たり配当額を0.22ドルから0.27ドルへ増額しました。