市場予想よりも低調な決算や見通しを受けて、アルファベット(GOOGL、GOOG)、メタ・プラットフォームズ(META)株の投資家センチメントが急低下していますが、データセンター株にはポジティブな地合いとなっています。
急落するメタの傍らでエヌビディア株などは投資増を好感
26日の米国株式市場の時間外取引では、メタが急落する中、エヌビディア(NVDA)、AMD(AMD)、マーベル・テクノロジーズ(MRVL)などのデータセンター株が上昇していました。
メタが2022年12月期の設備投資見通しを300億~340億ドルから320~330億ドルへと、レンジ中央値を320億ドルから325億ドルへと若干ながらも引き上げ、2023年度は340億~390億ドルと2022年度予想比で増やす見通しとしたことが、データセンター株の好材料に受け止められました。
メタは2023年度の設備投資の増加は、データセンター、サーバー、ネットワークインフラへの投資によるもので、AI(人工知能)も投資拡大の押し上げにつながるとしています。このことから、ハイパースケーラーの1社であるメタのデータセンター投資が続くとの見方が高まっています。
私はメタバースで同社が将来、強固なポジションを築けるとは全く見ていませんので、こうした闘志が未来永劫続く保証はないと思いますが、エヌビディアなどにとっては一時のサポート材料になりそうです。
アルファベットはグーグル・クラウドの増収率が加速
25日に決算を発表したアルファベットは、「YouTube」など広告収入がさえませんでしたが、グーグル・クラウドの収入は前年同期比38%増と、4-6月期の同36%増から加速していました(市場予想を上回る。営業赤字は市場予想よりは少額)。
経営陣は「Google Workspace」(800万以上の企業や組織が利用)など、クラウドは引き続き力強い役割を果たしていると述べていました。
明日早朝のアマゾン決算(AWS)にも注目
エヌビディアやAMDに関しては、対中国輸出規制も重くのしかかり、データセンター事業もゲーミングやPC向けプロセッサに続いて停滞・減少していくとの懸念が市場では根強かったと思われるため、アルファベットやメタの決算は、明るい兆しを与えたようです。明日早朝のアマゾン(AMZN)決算におけるAWS事業も、データセンター株の業績を占う大きな資金石として注目されます。