投資銀行やデジタル資産向け融資を手掛けるシグネチャーバンクが、19日の寄り前に4-6月期決算を発表しました。
希薄化後EPSは前年同期比47%増の5.26ドルと、市場予想の5.06ドルを上回りました。
純金利収入は44%増加しました。総収入は6.868億ドルで市場予想の6.863億ドルを上回りました。
効率性レシオは30.6%で、前年同期の35.8%から大きく低下しました。
融資残高は3月末から56億ドル(8.4%)増加し、720億ドルになりました。ファンドバンキングが35億ドル、マルチファミリー商業不動産が9億ドル、スペシャリティファイナンスが6億ドル増加した一方、デジタルアセットが1億ドル減少しました。
預金は50.4億ドル(4.6%)減少し、1,041億ドルでした。スペシャリティ・モーゲージが5.4億ドル、ベンチャーバンキングが0.9億ドル増加しましたが、デジタルアセットとNYバンキングがそれぞれ24億ドル減少しました。デジタルアセット顧客(仮想通貨取引所など)が15億ドルを国債に振り向けたことが影響しました。
デジタルアセットの預金減少の内訳は、デジタル取引所が約18億ドル、ステーブルコイン発行事業者が4億ドル、債券や機関投資家が1億ドル、ブロックチェーン技術やデジタルマイナーが0.4億ドルのマイナスでした。同期間中、ビットコイン価格が65%急落したため、預金には逆風となりましたが、減少額は会社全体の残高(1041億ドル)に対して限定的にはなっています。
デジタルアセット顧客は121増加し、1,323となりました。決して顧客離れが進んでいるわけではなく、顧客獲得はむしろ堅調といえます。
同社は5月中旬に、4-6月期の期中の預金状況(減少)などを発表しましたが、今回の決算では市場の想定以上に預金が減少したことから今後の成長懸念が強まり、19日の株価は4.5%安(一時10%以上の下落)でした。
今後、四半期で金利収入資産は10-30億ドル増やす計画で、預金増加を源泉にするとしています。