11日にAT&Tが7%高となりました。8日にワーナーの分社化と新規上場(WBD)を発表し、株価はWBDの分配分を差し引いた水準にありましたが、新AT&Tに対するブローカーの目標株価更新や配当利回りなどから注目すべきとの一部リサーチ、イベントの通過などを好感する買いが膨らんだと見ています。
AT&Tの株主は1株当たりWBD株を約0.24株手にします。現在の0.24株は約5ドルなので、4/8以前と比べてAT&T株は約5ドル下がっています(実質的な株式価値は不変)。
ただ予想配当利回りは5.6%と同業のベライゾンの4.7%を上回っています。メディア部門を切り出し、通信専業での再成長を果たせるか、未だ不透明ですが、事業像がハッキリしたことで業績や戦略に対する透明感は高まりそうです。
景気後退懸念を織り込み始めた株式市場では、安定的キャッシュを得たいがために増配銘柄への人気が高まっています。P&Gのように価格転嫁力の高い、インフレ対応銘柄という側面も物色要因となっています。
加えて、バイデン政権から企業の自社株買いへの課税を検討との観測もあり、自社株買いよりも増配銘柄の魅力度が高まる展開になっています。5%台の配当利回りはAT&T株のサポートになりそうです。