エヌビディアの決算では、データセンター事業などの好調に加え、供給制約に対する懸念の高まりが限定的でした。
これまでのところ、汎用的な半導体(アナログICやマイコン、電源など)は不足感が強まっている一方、高性能・最先端の半導体(GPUや5nm製品など)はそれほど深刻な不足に陥っていないようです。
不足している半導体はパソコンや自動車など複数の業種で用いられるものです。非メモリと呼ばれるものが不足しているようです。例えばAMDは7−9月期決算でデータセンターは好調でしたが、パソコンに関しては供給制約があり、機会損失があったことを認めました。
一方で高性能・最先端の半導体は、エヌビディアなどTSMCに対して自社の需要分だけ将来の発注計画を示しながら安定的に確保しているようです。もちろん、エヌビディアはデータセンター向けGPUの生産を確保しても、それを搭載するサーバにおいて、CPUなどが不足すればそもそもサーバの納入が遅延し、エヌビディアのGPUに機会損失が発生する可能性はあります。
ただ、現時点ではそのような動きはそれほど強まっていないようです。あくまでもエヌビディアが供給するGPUを単体で購入するだけの強い需要が市場には存在しています。エヌビディアは今回の8-10月期決算で、ファウンドりから十分な供給保証を得ていることを明らかにしており、今後もデータセンター向けなどに高性能GPUの出荷が好調に推移することが示唆されます。