アルファベットと共に、26日引け後に4-6月期決算を発表したマイクロソフトも時間外で4%高となりました。
収入は前年同期比12%増の518.65億ドル(為替影響除外で16%増)、希薄化後EPSは3%増の2.23ドルで、共に市場予想の524.45ドルと2.30ドルを下回りました。営業利益率は39.6%で、前年同期の41.4%から低下しました。
ただし、ドル高を背景に事前に業績予想は下方修正していたので、悪材料は概ね織り込まれていたと言えます。カンファレンスコールで発表した7-9月期見通しも市場予想を下回るものでしたが、2023年6月期は収入と営業利益が前期比2桁%台の増加率を見込んでいると経営陣が述べたことが好感につながったと思われます(2022年6月期の収入は前期比18%増、営業利益は19%増)。パソコン向けなど一部で業績の減速感が鮮明になっていますが、クラウドビジネスの安定性(サブスクリプション)が確認できる、少なからずポジティブな決算および見通しだと捉えています。
3セグメントの4-6月期の数字も収入、営業利益ともに全て市場予想を下回りました。プロダクティビティ&ビジネスプロセス(PBP)は13%増収、インテリジェントクラウド(IC)は11%増収、MPC(モア・パーソナル・コンピューティング)は5%減収でした。 MPCは中国のロックダウンの影響も特に大きく受けたほか、広告収入もマクロ景気動向が逆風となりました。
「Azure」とその他クラウドサービス収入は40%増収で、1-3月期の46%増収からは減速しましたが、引き続き大幅成長を実現しています。大型でより期間の長い契約が増えていると述べています。
クラウド収入は28%増の250億ドルでした。商業向け「Office365」は15%増収でした。顧客増加が続いており、有料シート数は14%増加しました。高価格帯の「E5」の利用も進んでいるようです。「E5」は商業向け「Office365」のインストールベースの12%を占めています。そのほか、セキュリティが40%増収、Teamsはシェア拡大が続くなど好調のようです。商業受注額は25%増加し、履行義務契約の残額は34%増の1,890億ドルとなっています。
ゲームが弱く、Xboxコンテンツとサービスの売上高は6%減少しました。コロナ禍での急成長の反動が出ているようです。Surfaceはサプライチェーンなどが懸念される状況ですが、10%増収でした。
7-9月期はPBPは6~8%増収、ICは20~21%増収、MPCは2%減収~1%増収を会社は予想しています。