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ナイキ(NKE)の2023年度4Q(3-5月期)決算は希薄化後EPSは市場予想を上回りましたが、売上高減収に転じました
4Qで状況が悪化したことから、見通しを下方修正しました。市場が増収をみていた2025年度通期は1桁%台半ばの減収に引き下げ、ネガティブサプライズです
時間外で株価は11%安の83.7ドルと、2022年秋以来の安値圏です
電話会議では話題に上がることがありませんが、同社製品の革新性の乏しさから、デッカーズ(DECK)が保有するHOKA、ONホールディング(ON)のONなどに顧客を奪われ続けているとみられます
2023年度4Q決算
費用減で50%増益 売上高は予想下回る
売上高は前年同期比-2%の126.1億ドルと2年振りに減収に転じ、市場予想の128.6億ドルを下回りました
希薄化後EPSは+50%の0.99ドルで、市場予想の0.84ドルを上回りました
営業費用が-9%の30億ドルとリストラを進めたことが寄与しました
需要創出費用を投じるも減収
需要創出費用はほぼ変わらずの10.9億ドルでした
過去比で高水準の費用の支出を続けても減収と、苦戦が続いています
EBIT利益率は13.3%に上昇
利益率は安定化傾向にあり、費用削減でEBIT利益率は13.3%に上昇しました
粗利益率も上昇しました
在庫削減は続く
期末在庫は前四半期比-11%の75.2億ドルで、期中平均売上高比も低下が続きました
フットウェアが4%の減収に転じる
NIKEブランド売上高は機器が大きく伸びましたが、主力のフットウェアが-4%と減収に転じネガティブです
アパレルは+3%と増収に転じました
大中華圏は増収も北米が冴えない
地域別売上高は大中華圏が+3%とプラスでしたが、勢いはまだみられません
北米が-1%と冴えず、欧州、中東&アフリカも-2%でした
見通し
通期売上高は1桁%台半ばの減収に下方修正
2025年度上半期(2024年6-11月期)の売上高は1桁%台後半の減収、2025年度通期は1桁%台半ばの減収になるとしました
従来予想(上半期1桁%台前半の減少、通期+1%)から下方修正しました
4Qで厳しさが増したことから引き下げました
市場は通期売上高を前期(513.6億ドル)から増収の522億ドルをみていたため、ネガティブサプライズです