アドビ(ADBE)は2024年度2Q(2-4月期)決算と見通しが好感され、14日に14.5%高の525.31ドルと急騰しました
過去数ヶ月間の株価は、OpenAIを筆頭とした生成AIによる競争リスクが意識されてきましたが、自社によるAIサービスが収益に貢献している状況及び市場予想比で強気な見通し(デジタルメディアの純新規ARRは今期約19.5億ドルと、従来予想の19.0億ドルから上方修正)を示し、投資家の見直し買いを引きつけた格好です
アナリストからは好評価が優勢ですが、今のところ目標株価の大幅な上方修正には至っていません(610.30ドル)
Fireflyは90億枚以上の画像を生成
決算発表後の電話会議で経営陣は、データ、モデル、インターフェースを革新し、すべての製品にAIをネイティブに統合しており、Creative Cloudでは、クリエイティブな生成AIモデルのFireflyファミリーを独自のデータセットでトレーニングし、Photoshop、Illustrator、Lightroom、Premiereなどの主力製品にAI機能を提供するために投資してきたと説明しました
2023年3月のデビュー以来、Fireflyはアドビのクリエイティブツール全体で90億枚以上の画像を生成するために使用されてきたのことです
Fireflyの世代数は5月に加速
5月末でAdobe Experience Platform(AEP)が5周年となりました。デジタルエクスペリエンスポートフォリオの中で次の10億ドル規模のビジネスになる勢いだといい、AEP AI Assistantをリリースし、ジェネレーティブAIを通じてマーケティング担当者の生産性を向上させるとともに、AEPネイティブアプリケーションへのアクセスを拡大していると説明しました
Adobe GenStudioでは、Creative Cloud、Adobe Experience Manager、Workfront、Adobe Journey Optimizer、Customer Journey Analytics、Adobe Express for Businessなどのクラウド製品を統合し、膨大なコンテンツサプライチェーンの機会に対応するとしています
マーケティング担当者がオンブランドのコンテンツを迅速に計画、作成、管理、活性化、測定できるようにするADBEのアプローチは、顧客の共感を呼び、パーソナライズされた体験を大規模に提供するためのデータ、コンテンツ、ジャーニーにおける当社のリーダーシップが実証されているとのことです
Creative Cloud、Express、Firefly Services、WebアプリでFireflyを利用できるようになったことで、より多くの新規ユーザーへのアクセス、既存ユーザーへのさらなる価値の提供、コンテンツ自動化の収益化の機会を得ているとのです。これらの統合により、Fireflyの世代数が加速しており、5月はこれまでのどの月よりも世代数が多くなっているとしました
また、サードパーティのテキスト、画像、動画モデルを統合するためにアプリケーションを拡張し、マルチモーダル大規模言語モデル(MMLLM)を作成するために戦略的な提携を結んでいます
Document Cloudは文書を読むことから会話することへシフト
Document Cloudでは、数分で簡単に導入できるAIを搭載した会話エンジンであるAcrobat AI Assistantによって、ドキュメントの生産性に革命を起こしているとしました
Acrobat AI Assistant の導入は、4 月に英語文書向けに一般提供され、世界中に約 3 兆ある PDF の革新と効率化の新時代の幕開けとなると力説し、文書の要約、洞察の抽出、プレゼンテーションの作成、学習内容の共有など、すべての人が文書を読むことから文書と会話することへとシフトできるようにするとしています。Readerで使用するためのスタンドアロン製品として、またAcrobat StandardおよびProのアドオン製品として提供されています
無料の月次アクティブユーザー数は前年同期比+60%超増えました。Microsoft EdgeとGoogle Chromeとの接続が寄与しています