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シェブロンが9%高 自社株買い枠を50%増し

シェブロンが29日寄り前発表の2Q(4-6月期)決算を受けて、9%高と急騰しました。原油・天然ガス価格の高騰で大幅増益だったほか、年間の自社株買い計画を50%引き上げたことが好感されました。

純利益は前年同期比3.8倍の116億ドルで、調整後EPSは3.4倍の5.82ドルでした。セグメント別純利益では上流が2.7倍の86億ドル、下流が4.2倍の35億ドルと下流の拡大が目立ちました。精製マージンの拡大が大きく寄与しました。旅行シーズンでジェット燃料などの精製製品の販売量が4%増加しました。

平均販売価格は米国の原油が67%上昇の1バレル=106.11ドル、天然ガスが2.9倍の1千立方フィート=6.22ドルでした。天然ガスの販売量は4%増、液化天然ガスが31%増でした。

石油換算生産量は7%減の日量290万バレルでした。米国は3%増の117万バレル(パーミアンは21%増の70万バレル)でしたが、米国外でインドネシアやタイでの一部契約終了の影響で13%減の172万バレルでした。

ただ、会社は増産に動いています。設備投資と探査費用は41%増の39.2億ドル、うち米国が86%増の25.4億ドル(米国外は3%減の13.8億ドル)と米国中心に投資・探索を行っていくようです。3月のインベスターデーで記されたように、同社は費用効率化を進めながら、緩やかな増産を進めていく計画です。

こうした中、同社は年間の自社株買い計画を従来の100億ドルから150億ドルへ50%増やしました(7/29の時価総額は3,218億ドル。向こう5年間でブレント石油価格=75ドルを前提)。原油価格の上昇は一服し、世界景気懸念が根強い中で今後も高水準の価格を維持できるか不透明な点はありますが、シェブロンの生産量を見る限り、まだ世界的に供給量の回復は限られている感があります。

ここもとの米国株式市場の動きに現れているように、景気後退懸念→ソフトランディングの可能性(将来的な利上げ停止→利下げの織り込み)を見出す動きも出ていることから、少なくとも40-50ドル台のような急落シナリオは低いだろうと私は見ています。シェブロンが自社株買いを増額したことは、当面はエネルギー業界にとって悪く無い状況が続くという1つの証左だと考えています。

シェブロンは35期連続増配中ですので、今後も増配を期待しています。

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